不思議な集まり

総務省が「ICTビジョン懇談会」立ち上げへ,完全デジタル時代の政策を検討@ITPRO
7月に最終報告書を提出した「ICT成長力懇談会」と比べてみます。2月の「ICT成長力懇談会」の開催@総務省によれば

[検討内容]
(1) わが国の情報通信社会及びu−Japan政策の現状評価
(2) 完全デジタル元年以降に追求すべき社会の理想像
(3) ICTによる新たな成長戦略のあり方(u−Japan政策の見直し)
(4) 成長力強化に向けた緊急的対応のあり方
(5) その他

今日のニュースリリース@総務省では

1) ICT市場の構造変化、ICT技術のトレンド、利用者ニーズの動向等についての分析を踏まえた、2015年頃までを視野に入れたICT関連市場の中期的な展望
2) 我が国を取り巻く諸課題へ対処するためのICT利活用、ICT産業の活性化、グローバル市場における我が国ICT産業のプレゼンスの向上等の観点から見た、我が国として取り組むべき課題の抽出
3) 上記(1)及び(2)を踏まえ、2015年頃を展望した総合的なICT政策の方向性
4) その他

「成長力懇談会」で状況分析を行い、その解決策を「ビジョン懇談会」で政策に落とし込む意図があると解釈できます。構成員をみるとどちらもメディア露出の多い「有識者」が名を連ねています。「成長力懇談会」は勝間和代氏や岸博幸氏、「ビジョン懇談会」では茂木健一郎氏、ロバート・A・フェルドマン氏、嶌信彦氏、引き続き岸博幸氏を起用しています。構成員の皆さんは人生経験も豊かで優秀な方々です。しかし、「成長力懇談会」の最終報告書では専門家じゃない人々の限界が見え隠れしています。報告書では日本の現状を分析、目指すべきゴールやアドバイスも的確です。ビジョンはすでに描けていると言っていいでしょう。しかし、専門家ではないのでどうしたらICTを活用できるか具体的な議論には何も踏み込めていません。もし「ビジョン懇談会」で課題を抽出してビジョンを話し合うなら二度手間です。政策骨子まで落とし込むつもりなら「有識者」の堂々巡りにならないか不安です。どんな結果が出てくるかをウォッチしていきたいと思います。