オフィスツアー(スカイリーネットワークス)いきました

先日、スカイリーネットワークスさんにお邪魔させて頂きました。

スカイリーさんは「モバイルP2P」を商品としていますが、一般的な"P2P"CDNを目的としたネットワーク技術とは目的が異なります。インフラストラクチャーレス環境でアドホックにメッシュネットワークを構築するところがポイントです。

私が気になっていたのは実際にMANETを構築するときにマルチホップが何回まで可能なのか、プロトコルはどのようにルーティング制御をしているのかという点です。

コア製品の一つは無線LANをターゲットにした通信ミドルウェアDECENTRA。アドホックモードでAPどうしを接続でき、アプリケーションからはTCP/IPライクに使用できます。仮想的に割り当てたIPアドレスやポートも指定できるとのこと。便利ですね。愛地球博ではKDDIの端末100台に搭載し、固定APも交えて接続型メッシュネットワークを構築しています。WindowsMobile上でDECENTRAが動作する様子を見せて頂きましたが、セッション確立が予想以上に早くて驚きました。下位で暗号復号処理も行っているはずですが、スムーズに接続しています。専用アプリでノード同士の接続状況も俯瞰できたのでとても分かりやすかったです。

もう一つの製品ZigBeePROはZigBeeを用いた通信ミドルウェアです。ZigBeeはまだ策定されてから数年の規格で商用製品も少ないようです。通信速度は遅いですが、省電力で運用によっては電池で数年稼働することも可能だそうです。とはいえ実行速度が60-120kbps程度でるので家電の制御・通知などの用途には十分です。ZigBee自体はテレビのリモコンなどに採用されたり、これからも需要はありそうです。

ルーティングに関してメモ

スーパーノードなどは置かないピュアP2Pです。CDNに利用される最近のP2Pがことごとくスーパーノードを配してノードを管理しているのとは対照的かもしれません。ピュアなのでルーティングテーブルは各ノードで保持しています。近接して安定接続したノード同士はPROACTIVE型接続を行い、不安定・断続したノードはREACTIVE型通信をすることでネットワークを維持しているのはビックリしました。今まで知識としてルーティングプロトコルの方式は知っていましたが、PROACTIVE型は平常トラフィックが増加するのに対してREACTIVE型では通信時トラフィックが増大するので、両者が並存することはないと思っていました。しかし実運用上はそれが最適のようです。勉強になります。

おもしろい話がたくさん聞けて面白かったです。梅田さん ありがとうございます。

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スカイリー・ネットワークス