P2P概論 -概念としてのP2P-

仕事でP2P(Peer to Peer)技術に携わっています。日本ではファイル共有ソフト著作権を侵しているとして悪名高いですが、P2Pという言葉が一人歩きして誤解されているので整理する(できれば誤解を解く)チャレンジをしたいと思います。
P2P」と一言で表現してもそれにはいろいろな側面があります。まず一番おおきく大別されるのが「概念」と「技術」だと思います。今日は「概念としてのP2P」を解説してみます。
話は飛びますが、WEB2.0以降の新しい価値観としてCommunication/Communityが挙げられるようになったのは皆さんもご存知のとおりです。そこで登場した新しいビジネスモデルの例として「ソーシャルレンディング」「ソーシャルファイナンス」と言われるものがあります。
参考HP: http://www.yasuhisa.com/could/entries/001207.php
従来、融資/投資というのは一部の個人と金融業の仕事でした。それに対してソーシャルレンディングは個人同士が融資の交渉を行い、契約する仕組みです。もともとアメリカで発祥した概念で、個人と個人で融資契約が行われることからP2P金融とも呼称されています。Zopa、Prosperのような交渉の場となるサイトを提供する大手の業者も現れ、マーケットとして成長しているようです。
また金融だけでなく小売でもコミュニティ要素を取り入れることで成功しているビジネスもあります。
参考HP: http://blogs.itmedia.co.jp/repedant/2008/01/etsyp2p-b88c.html?ref=rssall
"Peer to Peer"とは本来"対等なもの同士"を意味します。SNSのようなコミュニティメディアの中では公開される個人の属性が少ないため、自由に意見を交わせます。そこでは必然的に対等な関係"Peer to Peer"が成立しているのです。全体を捉えて「ソーシャル」と呼ぶか、個々の関係性を捉えて「Peer to Peer」と呼ぶかの違いがあるだけでしょう。これが私の考える「概念としてのP2P」です。