ダウンロード違法化の議論

ダウンロード違法化が法案化するということで大騒ぎになっています。ただ文化庁の「私的録音録画小委員会」での議論の経緯を確認しようとしましたが無理でした。
私的録音録画小委員会議事録(7月10日)@文化庁
私的録音録画小委員会議事録(5月8日)@文化庁
お役所の「情報公開」とはこういうものかもしれませんが、とにかく見ずらいです。消費者がこの問題について考える余地を排除しているのではないかと疑いたくなるような「議事録」です。とりあえず経緯を各サイトから追いました。
ダウンロード違法化とは@ITPRO
ダウンロード違法化に反対するパブコメ素材@MIAU

違法コンテンツなのか合法コンテンツなのか、見た目で分からないことが多い。なぜなら、日本の著作権法は無方式主義で、権利の表示をしなくても良いから。

ダウンロードしたファイルの内容は入手するまでは分からない。入手時点で違法となってしまうかもしれない。

権利者の許諾をもらって公開しているかわからない。

合法的なダウンロード行為ですら萎縮してしまう。

私がダウンロード違法化に反対する理由@MALAntenna
"iPod課金"見送り ダウンロード違法化へ@ITMedia
「ダウンロード違法化で何か質問ある?」——津田大介さんが2chにスレ立て@ITMedia
ダウンロード違法化はついに何かの引き金を引いた@コデラノブログ
補償金問題、「iPod課金」の結論は来年度以降に--ダウンロード違法化の著作権法改正案は提出へ@CNET
ダウンロード違法化が「延期」していたワケ@ASCII
ダウンロード違法化についての超初歩的な経済学@池田信夫blog
津田氏が立ち上げた「小委員会」をちょっとのぞいてみたら気になるポイントがいくつかあります。

気になっているのはP2Pネットワークで違法ファイルを共有している場合、サーバーやクライアントがないので正確には「ダウンロード」も「アップロード」もしないはずです。つまりネットワークに参加して「中継」したり、ハッシュ・分割されたファイルを保持している場合は技術的に罪に問われないことになります。「共犯」ではありますが。また、自分が完形のファイルを入手しない限り「ダウンロード」には問われないはずです。そこらへんは

法律が変わったら、BitTorrentで違法なファイルをダウンロードをするのは違法になる。本来、今回の改正は刑事罰はついてないので落としただけだと「逮捕」されることはないんだけど(未成年の飲酒と同じ)、BTの場合Winnyみたいにファイル転送の中継(アップロード)も行われる構造になってるので、違法なファイルを中継してたら「違法なファイルアップロードしたね」という感じで捕まる可能性はある。(限りなく低いとは思うけど

ということらしいです。技術的に言えばハッシュされたファイルは中継者も解読できないので「入手」と解釈できないはずです。だから「中継罪」で捕まることはないはず、と個人的には思います。
あと

じゃーyoutubeはダウンロード?IEのキャッシュに保存されるし。

という質問も気になりました。

YouTubeは厳密にいえば動画データをブラウザのキャッシュフォルダに保存してるからダウンロードなんだけど、文化庁的にはあれはストリーミングという解釈(キャッシュファイルについてはセーフ)みたいなので、法改正後もYouTube見るのは問題ない。ただし、ツール使って「そのファイルが違法にあげられてると知った状態で」ダウンロードしたら違法になる(でも刑事罰はないから逮捕はされない)。ややこしいね。

そこの善意・悪意(法律的な意味の)を立証するのって難しいですよね。

本気で調べようとしたら個人的に使ってるパソコンのHDDの中身とかを押収するか、ISPの通信内容傍受するとかそういう強引な手法を取らざるを得なくなる。そんなこといきなりできるわけないからそういう意味でもあんま意味ないよねっていう。