フェアユース関連エントリ

日本の著作権法って時代おくれなんですね。こうしてメディアが多様になったので理念を法律にする必要はあるなと思います。
「日本版フェアユース規定」の導入を提言、知財戦略本部の専門調査会@ImpressWatch

報告書案では検討の結果として、個別の制限規定に加えて、権利者の利益を不当に侵害しない範囲で公正な利用を包括的に許容しうる権利制限の一般規定(日本版フェアユース規定)を導入することが適当であると結論付けている。ただし、専門調査会で実施したヒアリングでは、フェアユース規定の導入による違法な利用行為の蔓延や、司法の判断によってしか解決できなくなると権利者にさらなる負担を強いるのではないかといった意見があったとして、導入にあたってはこうした点を踏まえつつ実際の規定を検討する必要があるとしている。

Wikipediaフェアユース」の項を見るだけでも難しい制度であることが分かります。裁判官が判断の材料とするのは以下の点です。

  • 利用の目的と性格(利用が商業性を有するか、非営利の教育目的かという点も含む)
  • 著作権のある著作物の性質
  • 著作物全体との関係における利用された部分の量及び重要性
  • 著作物の潜在的利用又は価値に対する利用の及ぼす影響

これを明確にできる消費者はそんなに多くないと思います。
2009年の法制施行を聞いたときに私が最初に思ったのは「日本国民にはフェアユースの考え方が根づいていないのに拙速なのでは?」ということです。でもよく考えるそんな難しいことではないので「根づいていない」と判断するのは正解ではないかもしれません。ただ、知財戦略本部、経産省総務省などがガイドラインや具体例を提示して考え方を明示してから法制化するのが妥当な順序な気がします。
日本版フェアユース、知財本部がパブコメ募集へ@ITPRO

ただし、フェアユース規定を先行して盛り込んでいる米国と異なり、日本では(1)訴訟などのリスクを内包した制度ではあまり活用されないのではないか、(2)日本版フェアユースを導入すれば経済効果が期待できるなどと過大に考えられていないか、(3)日本版フェアユースの導入により違法行為が増え、訴訟コストをはじめ権利者の負担が増えるおそれはないか、(4)法体系全体との関係や諸外国の制度との間でバランスを欠くことはないか——といった懸念がある。

国会審議のネット中継が浮き彫りにした、フェアユースをめぐる矛盾@CNET
筆者はインターネット検索をフェアユースの代表例として引き合いに出しています。

では、日本法でサーチエンジンキャッシュは合法なのか?これほど当たり前のように使われているキャッシュがもし違法ならば、事業者だけでなくユーザーにとっても困る自体に陥る。

著作権侵害問題:「公正使用(フェアユース)」とは?(前編)@AllinOne
著作権侵害問題:「公正使用(フェアユース)」とは?(後編)@AllinOne
「フェアユース」で官製不況の打破を@ascii
著作権処理にもハブが必要だ@池田信夫blog