Dec. 29, Tue.

文明の衝突」S・ハンチントン氏が亡くなりました。冥福を祈ります。私も大学で借りてに拝読しました。もともと国際政治学者向けの論文ですが、近代史を把握していれば誰でも面白く読める本だと思います。これを機に購入して読破しようと思います。※とても分厚い書籍なのです。

IT

日本国内のネット産業の現状についてngi小池氏、元ライブドア堀江氏へのインタビューしています。二人は好況に伴って業績を伸ばしたモバイルゲームやブログの運営会社にはまだチャンスがあると述べています。

小池氏は、「ネットに限らず、起業家は試行錯誤を繰り返して経験を積む。それで成功する可能性が高まる。あとは成功にたどり着くまでに時間がかかるかどうかだ。確かに深刻な状況だが、この嵐が過ぎれば後は楽になる一方。ベンチャーにはチャンスになる」とみる。

しかし、今朝の日経新聞によれば、WEB2.0の本拠地であるアメリカでもベンチャーキャピタルの投資が落ち込んでいるという。イノベーションが止まった産業の例としてアメリカの自動車産業を挙げて警鐘を鳴らしています。

自動車

電波政策にまで口を出し、通信業者が使うはすだった710〜730MHzにITSが割り込んだ。

池田氏は空いた700MHz帯がITSで使用されることに問題を感じているようなので少しコメント。
以前のエントリでも車車間通信についてコメントしている方がいました。

このITSは「車車間通信」を使って衝突防止などのシステムを構築するというものですが、これまでのITSと同様、採算性が不明です。こんな特殊なインフラのために電波を前後30MHzもふさいで全国ネットワークを張るのはばかげている。

ITSの最終目標である交通安全や排出ガス削減に対して採算性を求めるのは難しいでしょう。もちろん税金を使うことですし、コストバランスというものがありますが、自動車技術のイノベーションが日本の産業全体を支えているのは事実です。

第3次産業革命に立ち遅れた日本経済を建て直すためには、NTTやITゼネコンのような「恐竜」が情報通信産業の中核をになっている状況を変え、デジタル・ネイティブな企業の参入をうながす必要がある。

みなが思っていることかもしれません。簡単におっしゃる感もありますが。実際、ITSのようなインフラは巨大SIerが構築するのが通例のようです。ベンチャー企業が育たない風土に原因を求めると大企業が産業を支配してしまう構造的問題に帰結するのかもしれません。