PUCCのセミナーいってきました

昨日5/27、六本木のJETRO(日本貿易振興機構)でPUCC(P2P Universal Computing Consortium)が主催する「PUCCの技術が創るユビキタスネットワーク社会」に参加しました。
PUCCはP2Pネットワークでデバイス制御を実現するためのプロトコルの標準化団体の名前ですが、同時にそのプロトコルの名前でもあります。目指すところは徐々に普及しつつあるホームネットワークやセンサーネットワークですが、経産省情報大航海プロジェクトで医療情報を機器から収集する通信インフラを構築した関係から医療方面からの注目も熱いようです。現在はP2Pということを前面に押し出すことはせず、オーバレイネットワークやDLNA/ECHONETとの互換を売りにしています。
セミナー自体は2部構成となっており、1部では慶応医学部(!!)の末松誠氏と経産省審議官(!)の木村雅昭氏が、2部ではフランスのINRIA(国立情報学自動制御研究所)のMarcBarret氏、セイコーエプソン長坂文夫氏、日立製作所川口敦生氏が公演をしました。豪華な顔ぶれですね。
またPUCC久保田氏から情報大航海プロジェクトの説明もあったので改めて参考になりました。政府のIT実証実験/研究開発は、総務省のSCOPEを筆頭に文科省の諸科学技術振興プロジェクト、国土交通省のITS関連のものまで沢山あるので把握しきれません。情報の少ない経産省の取組みを聞けたのはラッキーです。
INRIAは年間予算が300億円の巨大研究機関です。Barret氏が紹介してくれた研究は興味深いです。INRIAで行っている研究の一つはHOPと呼ばれる新しいプログラミング言語です。従来のServer-Client型のHTTP/HTML通信ではなく、ユーザーアプリケーションとなるClientが、Brokerと呼ばれるアプリを介してServerと通信を行うランタイム兼言語です。BrokerがエージェントすることであらゆるデバイスからServerにアクセスすることが可能になるとのこと。従来のJavaPHPなどの言語をHOPの記述の中に直接組み込めるのも魅力的である。ちなみにフランス語はHを発音しないので「オップ」って言ってました。
もう一つはGERHOMEと呼ばれる人間の動きを観察する技術です。といっても人間が画像を見張るのではなくカメラが自動的に人間を検出し、どこにいるかだけでなく何をしているかの情報を取り出すのです。料理をしている、しゃがんでいる、寝ている(赤外線で睡眠を検出できる)とかまで分かるらしいですが。もともとは在宅の老人の行動を通知する仕組みだったようですが、デモを見るかぎり正しく「未来」を感じました。
近々プレゼン資料をホームページにアップするらしいので興味のある方はどうぞ。(どんな資料が上がるか分かりませんが)
http://www.pucc.jp/PUCC/ToIndex.action