IT業界はどうなるの?

とりあえずITの外にいる方向けに書いてみました。業界の方はリンク先のニュースを読んで頂いたほうがためになります。
そんな前のことではないのですが、私が就活をしていたときに「システム開発の業界はゼネコンと同じ」というのを聞きました。いま考えてみると、良くも悪くも分業制が成立しちゃってる業界って解釈できます。こんな記事を読みました。
[ITPro]学生とIT業界トップの公開対談で胸を衝かれたこと
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080530/305172/
現在、"メーカー"と言われる企業は"商社化"しているし、大手のソフトウェアベンダーも派遣技術者に頼っているのが現場の状況ということでしょうか。私の会社もご多分にもれず開発現場は派遣頼りです。派遣の方の中にはすごい技術力を持っている人もいて私も多くのことを学びました。ソフト開発のプロジェクトは、忙しいときは何人いても足りないけれど、作り終えればヒマです。でも日本の会社は終身雇用だからヒマでもクビにはできません。結果、給与の低い派遣技術者に開発下流工程を依存するようになっているのです。逆に言えば派遣や下請けの技術力次第では高い品質のソフトが作れる時代でもあります("品質"議論はまた別の機会に)。だから日本のシステムIT業界に限って見れば、派遣の増加は"失われた10年"のせいではなく必然の現象だったのです。
でもそれが格差社会を生み出す一因になっていることは衆知のとおりです。情報漏えいリスクが高まろうとも、不具合が出ようとも、止めようとする企業はいません。技術者のパフォーマンスを鑑みずに人月単位で経費を計算しようとする"社会主義"的な経営手法が殺伐とした業界にしたという指摘もあります。新卒にも人気のない仕事になっているようです。
[@IT]「10年は泥のように働け」「無理です」--今年も学生と経営者が討論(上記のサイトと同じイベントの取材記事ですが内容は違います)
http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html
ソフトベンダーが情報産業の花形からインフラ産業に変化したという指摘にはうなずけます。そう考えると人材を欲しがる企業側もアピールの仕方を変えることも必要になる気がします。就職活動で日立製作所の説明会に何度か足を運びましたが、インフラ産業の自負や仕事の面白みを感じたことを覚えています。あーゆー魅力をアピールできるといいのかな。
前述のような背景があるせいなのかIT業界に警鐘を鳴らすブログも増えています。私はこんなのを読んでいます。
[IT-Plus]世代IT産業論考(浜口友一)
http://it.nikkei.co.jp/business/column/hamaguchi_it.aspx
[IT-Plus]IT業界の進路(有賀貞一)
http://it.nikkei.co.jp/business/column/aruga_gyokai.aspx
どちらも大規模システム開発の現場にいた方なので業界全体を見渡した議論なのでフーンて思えます。みんな何とかしなきゃって思ってるんだけど変われない。そういうのを閉塞感って言うのでしょうか。