エコカーワールド見学 -メーカーの歩調のばらつきが気になる-



[イベントの概要]
赤レンガ倉庫で開かれていた「エコカーワールド2008 in 横浜」に行ってきました。といっても小一時間ほどで引き上げてしまいましたが。そもそもこのイベントは環境省横浜市が主催して、自動車メーカーの開発成果を一般に知ってもらおうという取り組みのようです。たしかにクルマに興味のない人にとって、自動車メーカーの取り組みなんてテレビくらいしか知る術はないですよね。主催者も"エコ"だけでは人が呼べないと踏んだのか、ファミリーを呼ぶべく仮面ライダーやおしりかじり虫などのショーを行っていました。狙いはある程度あたっていて、見学者の中には多くのファミリーがいてゼロスポーツの電気自動車には子どもたちが群がっていました。ただ全体としてそんなに人出は多くありませんでした。
[感じた問題点]
でもイベントに参加して改めて次世代エネルギーの選択肢がある分の弊害も感じとることができました。各社とも次世代の自動車開発が実用化段階に達していながら製品化できていないことです。電気自動車はハイブリッドやガス燃料よりも研究開発の開始が遅かったとはいえ、もう走るモノは出来ているのです。ガス燃料はタクシー/バスで販売されていますし、日産やホンダが燃料電池車を開発したのなんて何年前のニュースでしょう。では、なぜ販売されないのかと言えば買う人がいないからです。なぜ買わないかといえばインフラが整っていないからです。ガスにしろ燃料電池にしろスタンドがなければ"給油"できません。プラグイン充電できる電気/ハイブリッドはそういったインフラニーズに適った発想から出てきた技術です。
[問題は解決するべき]
当たり前の理屈をこねましたが、この問題を解決するには"社会的なコンセンサス"と"技術的なブレークスルー"の2つのアプローチが必要になりそうな気がします。問題の背景には世の中にまだ次世代自動車エネルギーの必要性が認知されていないことがあります。まだ多くのドライバーは自動車の環境負荷を認識していません。そのため次世代の燃料は認知度が低いのです。インフラとして整備されるには次世代燃料の必要性が多くの人に理解される必要があります。必要性が認知され価格が下がればマーケットが現れ、インフラ整備も進むと思われます。幸か不幸か燃料価格が高騰している折なので、ガソリンに注目するだけでなく他の自動車燃料が着目されるといいですね。以上は"良識ある市民"としてのあるべき解決アプローチですが、市民は同時に"成熟した消費者"でもあります。消費者は自身に直接の利害がないと動きません。そこにはコストの壁と飛びぬけて優れた技術がないことが要因になっています。

  • ガス、DMEは現在の技術の延長戦上にありNOx排出が抑えられるが、劇的な環境負荷の改善はできない
  • 燃料電池、電気自動車は排ガスを一切出さないが、コストが見合わない

おそらく現在水面下でイニシアチブをとるべく競争が行われていると思います。技術が決定的な"答え"を出せれば潮流ができていくかもしれませんね。日本的な発想で申し訳ありませんが。
思ったことをまとめてみました。うんイマイチですが言いたいことは言えたかな。