エコドライブ論 -見直してみる(1)

さっきWBSを見ていたらWTIが一時139ドルまでつけたらしいです。まだ原油価格の高騰は止まりそうにありません。
(ここから本題)勢いでこのブログを書き始めたのですがそろそろ見直す時期かなと思います。今までエコドライブ"論"なんてエラぶっていましたが、そもそも「エコドライブ」ってどうなん?ってところから考えてみたいと思います。考えたことがなかったので。
「エコドライブ」でググると2,510,000件がヒットします(08.06.15現在)。これを高いと見るか低いと見るかは難しいのですが、関心が持たれていることは確かなようです。
内容をチラチラ見ていると「すぐ実践できる」系と「行政が推進しています」系に雑把に分けられます。実践系サイトでは"急発進/急停止をしない"、"アイドリングストップ"といった運転中に心がけることをはじめ、自動車選びや"荷物を積まない"、"ガソリン満タンにしない"などの技術を紹介するところが多いようです。ホンダや日産が専門サイトを開いていたり、all aboutで紹介されているのが代表的でしょうか。一方、行政のエコドライブ推進サイトでは、コンテストや検定にする取組が紹介されています。警察庁経産省国交省環境省が主導するチーム・マイナス6%や各自治体のサイトが目につきました。
ただこれらの取り組みが成果を生んでいるかというと残念ながら疑問です。Wikipedia「エコドライブ」項で指摘されている点に課題が集約されていると言えます。以下はWikipediaの抜き出しです。
「アンケートによると、 「エコドライブを実践していて難しいと感じること」については、面倒くさいという意見(7.3%)よりも、効果がわかりにくいという意見(55.6%)が多い。また、「エコドライブを実践しない理由」については、「エコドライブに関する知識が不足している」が65.1%「エコドライブを実践しても効果がわかりにくい」が33.9%との結果が出ている。」
効果が分かりにくい点については一般に認識されつつある点だと思います。テレビなどで紹介される「○○グラムの二酸化炭素節約!」「ブナの木□本分」といった数字もどのように算出していて、気温上昇にどのくらいの影響があるのかが明確でないからです。
あらゆる機関で排出量と効果の相関に関するユニバーサルな基準が模索されているはずです。便利さとトレードオフになりかねない問題なのでもちろん時間はかかるでしょうが、それらの努力によって環境の価値基準が確定することが望ましいでしょう。
排出量や効果の算定は、あらゆる産業、人間活動、気象現象を加味する必要があるため、複雑な演算を要求されます。しかし、その根拠が簡潔でないとコンセンサスが得られません。
その演算式が完成すれば、京都議定書が排出量を基準に各国に行動を求めている行動計画に合理性の観点から見直すことができるようになるはずです。
先日IBMと京大が自動車トラフィックの詳細なシミュレーションを可能にしたというニュースを見ました。精度の高いナビゲーションを可能にするだけでなく、個々の車両単位でガス排出量をシミュレートできる可能性があります。前述の問題を解決する糸口になる技術ではなりかと私は勝手に睨んでいます。
http://www-06.ibm.com/jp/press/2008/06/1001.html
もう一つの問題点「ドライバーのスキル不足」については次回述べたいと思います。