Netbookは理にかなっている

変な記事を見かけたので思ったことをツラツラ書いてみます。

著者Joe Wilcox氏はたぶんMicrosoftの回し者です。

欧州では多くのNetbookがキャリアの販売奨励金付きで売られている。だが米国では、ほとんどが奨励金なしで販売されている。MicrosoftはPCメーカーや携帯キャリアと協力して、一般的な小売りチャネルで奨励金なしで販売されているモデルよりも安価でハイスペックな奨励金付きのNetbookを提供するべきだ。

高スペックなデバイスを低価格で購入できる...「ガラパゴス」と言われたどっかの国の携帯電話市場と同じ状態になることはないのでしょうか。日本の携帯電話が「個性がない」と批判されるのはキャリアーがソフトウェア(特にUI)の仕様決定権を握っているからです。販売奨励金がメーカーの個性を奪っています(もちろん議論はありますが)。MicrosoftはエクステリアやUIまでの権限は持つことはありえないと思いますが、大きな影響力をもつことは間違いないでしょう。また、Microsoftが奨励金を出してPCの価格を操作するのは(性懲りもなく)法に触れないのかと余計なことが気になってしまいます。

Netbookは麻酔薬のようなものだ。安くてよく売れるが利益率は低い。ミニノートPCは不況時にはよく売れる。だから購入者とPCメーカーに好まれる。だがPCメーカーには、「過剰摂取」すれば、ノートPCの利益率を崩壊させる危険性がある。MicrosoftWindows PCメーカーは心を決めなければならない。その場しのぎを続けるか、事業基盤を改善するために正しいことをするか。選択の余地などない。答えは1つしかない。

奨励金の方が麻薬ような気がします。不況だから単価の低いPCが売れるというのは一理あります。しかし、それは景気が回復すれば解決する問題で、UMPC大量生産はメーカーが抱えるべきリスクでそれを他者が担うべきではないでしょう。
ノートPCがシンクライアント化しているのは、クラウドコンピューティングというIT技術の志向する方向性と合致しているからだと思います。業務に必要な性能が頭打ちなのだからそれを備えたスペックで低価格のPCが売れるのは当然です。投資に見合う効果が得られる見込みがないのならば、多少業務効率が落ちてもWindowsXPを使い続けるのも選択肢です。Intel最新型のCPUに2GBのメモリを搭載したパソコンでExcelやWord、IEだけを使って仕事するのは非効率な仕事だからです。筆者はミニノートPCが消えると主張しているらしいですが、まぁカテゴリーのことはどうでもいいとしても、「Netbookスマートフォンと融合する」というのは頂けません。スマートフォンNetbookはまるで用途が違います。Willcom D4の進化版みたいな中間色のモデルが出ることはあるかもしれませんが、それは多様化のひとつであって「融合」には向かわないでしょう。
ノートPCが低価格になった要因に台湾メーカーの台頭もあるでしょう。ACERASUSに低価格で生産委託してきた大手メーカーが「パートナー」に対して排他的な行為をとれば、大手メーカーは新たなOEM先を探す必要が出てきます。